寝ているはずなのに寝た気がしないそんな経験ありませんか?
実はこの寝た気がしないという悩みは睡眠障害の1つである熟眠障害が関わっているかもしれません。
熟眠障害は放置していると生活に支障をきたすだけではなく、健康への影響も考えられる怖い睡眠障害です。
- 最近寝ているはずなのにどうもスッキリしない…
- 早く寝たのに十分に寝た気がしない…
そんな睡眠への悩みを抱えている方は自分が熟眠障害になっていないか参考にしてください。
不眠症にも種類がある
不眠症という言葉がよく聞かれるようになりましたが、実は一言で不眠症と言っても原因になる睡眠障害には色々なタイプがあります。
大まかに分けると上記のような睡眠障害のタイプがあります、今回はこの中でも熟眠障害について紹介します。
熟眠障害とはどんな状態?
熟眠障害とは簡単に言うと「睡眠時間は十分にとれているはずなのに十分に寝た気がしない。」という状態を言います。
熟眠障害とよく似た症状に逆説性睡眠障害というものもありますが、熟眠障害と逆説性睡眠障害の違うポイントとしては熟眠障害は何らかの原因によって睡眠の質が低下しおり、結果的に疲労感や熟睡感が得られない状態です。
それに対して逆説性睡眠障害は睡眠検査や、当事者と同居している周囲の人に聞いても十分に睡眠を取れている事が確認できているにも関わらず、本人だけは寝れていないと思っている状態の睡眠障害です。
両者とも寝た気がしないという自覚症状が共通しているため混同されやすいですが、熟眠障害の場合は原因として他の病気などが隠れているケースもあるので危険と言えるでしょう。
もしかして自分って熟眠障害?睡眠チェック
熟眠障害というものがだいたいどのような状態を言うのか分かったところで、今度は自分が熟眠障害の疑いがあるのか逆説性睡眠障害のように自覚症状だけなのかチェックしてみましょう。
- 十分に睡眠時間をとれているのに寝た気がしない
- 寝ている間に大きなイビキをかく
- ハッキリとした寝言が激しい
- 鮮明な夢をよく見る
- 日中に支障をきたすような睡魔が襲ってくる
- 朝起きても倦怠感などが強い
- 気が滅入る事が多い
どうでしたか?睡眠チェックに当てはまる物が多いほどあなたは熟眠障害の可能性が大きくなります。
熟眠障害だと日中に激しい眠気が襲ってきたり、強い倦怠感等を感じる場合が多く放置しているとうつ病などに発展するケースも有る怖い状態です。
次の項では熟眠障害の原因となる睡眠状態や自覚症状の裏に隠れている怖い病気などを見てみましょう。
熟眠障害の睡眠の質とは
私達人間は1日の内7時間前後の睡眠を必要としています。
しかし現代では仕事や人間関係など色々な要素が加わり睡眠時間として7時間前後を確保できている人はかなり少ないのが現状です。
理想的な睡眠時間は7時間程度と言われていますが、睡眠の質が高ければ5時間ほどでも熟眠感が得られて疲労感などがスッキリしているという事もあります。
逆に8時間寝ていても睡眠の質が低下していると5時間睡眠と比較しても熟眠感が低く疲れが取れず寝た気がしないという熟眠障害を引き起こします。
この熟眠障害を引き起こしている方の多くは睡眠中のレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れたり、深いノンレム睡眠に入れていなかったりと根本的に睡眠の質が落ちている事が原因となっています。
通常は寝始めて前半の3時間の間に深いノンレム睡眠状態が起きることで身体と脳は休息をとります。
しかし熟眠障害を起こしている方の場合はこの前半3時間の時にとるべき深いノンレム睡眠状態がとれずに浅いノンレム睡眠で終わりそのまま起床時間を迎えてしまうのです。
睡眠の質が低下する原因とは
熟眠障害の原因となっているのが睡眠の質の低下ということはわかりましたが、具体的に何が原因でその状態が起きているのでしょう。
睡眠時無呼吸症候群【SAS】によるもの
睡眠時無呼吸症候群という言葉は聞いたことがあるという方も多いと思います。
寝ている間に一時的に呼吸が止まってしまうことで睡眠の質を低下させてしまう呼吸器の病気の1つです。
患者の多くは中年以降の男性や肥満体型の方に多く、頻繁にイビキをかいく方など睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと言われています。
この睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に呼吸停止を繰り返すため睡眠の質が低下し、結果として熟眠障害を引き起こすと言われています。
睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は1度呼吸器で検査などを受けることで自分が睡眠時無呼吸症候群なのかどうか知ることが出来ます。
重症の場合は寝ている間の呼吸停止時間などが長くなり生命に危険を及ぼすため、専用の機械をつけて寝なければならなくなります。
日常的にイビキがひどかったり、睡眠中に息が止まるなど家族などに指摘された事がある方は睡眠時無呼吸症候群が原因で熟眠障害を起こしている可能性が高いので早急に呼吸器を受診しましょう。
メラトニンの分泌不足によるもの
メラトニン?なにそれ?と聞き馴染みがない方もいると思いますが、メラトニンとは夜間に脳の松果体という部分から放出される睡眠と覚醒リズムに影響を及ぼす成分のことです。
メラトニンは朝に朝日を浴びて起き、夜に日が沈み寝るという当たり前の生活を基準に分泌されています。
しかし現代では仕事によって夜勤があったり、友達と飲み歩いてたら昼夜逆転してしまったなど朝に日を浴びて日が沈んだら休むというリズムが乱れている方が多くいます。
この生体内の起床リズムが乱れてくると夜暗くなってから松果体から放出されていたメラトニンの分泌が減少したり、朝なのに夜と身体が勘違いしてメラトニンが放出されたりと睡眠と覚醒のリズムがバラバラになってしまいます。
メラトニンの分泌が低下すると睡眠の質が低下して夜寝ているのに十分な睡眠の深さまで到達できずに熟眠障害を引き起こします。
メラトニンの分泌バランスが崩れたままだとそのまま不眠症に発展して、いよいよ何をしても寝れないという状態になる危険があるので早めに対処する必要があります。
寝酒によるもの
熟眠障害の意外な原因として寝る前の飲酒があります。
昔からナイトキャップなどと言われて寝る前に少量アルコールを飲むとよく寝られる、なんて言われていましたが最近の研究ではアルコールを飲むことで睡眠の質が上がると言うことは無い事が分かっています。
寝る前に少量のアルコールを飲むと睡眠の質を上げることはありませんが心疾患のリスクを下げる効果があると言われているらしいので、混同しないようにしましょう。
他にもアルコールの効果として筋肉の弛緩作用があるため寝ている間に仰向けになると緩んだ咽頭により気道が狭くなりイビキなどを引き起こし睡眠の質を低下させます。
慢性的に寝酒をする習慣があると急にアルコールを経っても断酒後数年の間は睡眠の質の低下が見られるため、結局お酒を我慢しても熟眠できないとなり再び飲酒を始めてしまうケースがほとんどです。
寝酒による熟眠障害が疑われる場合は根本的に飲酒が依存的になっている場合が多いため、精神科などで行っているアルコール依存改善プログラムなどを活用するのが1番効果的です。
飲酒による熟眠障害の場合は改善までの道のりが非常に険しく長いため、家族の強力や途中でくじけない強い精神力が必要となります。
年齢によるもの
熟眠障害を起こしやすいのは若年層よりどちらかというと中高年以降の高齢層に多い印象があります。
というのも年齢とともに前項で紹介したメラトニンの分泌量が低下していくからです。
子供〜青年期くらいまではメラトニンの分泌は多く睡眠時間も長い傾向にありますが、加齢とともにメラトニンの分泌量が低下して睡眠時間も短縮傾向にあります。
メラトニンが低下すると必然的に睡眠の質も低下する傾向にあるため、高齢者の多くに「なんだか寝た気がしない…」という熟眠障害を自覚するようになる方が増えるのです。
逆説性睡眠障害のように実際は十分に寝ている場合は問題ありませんが、倦怠感や意欲低下など自覚症状がある場合はメラトニンの分泌を手助けするサプリなどを使うことで睡眠の質を維持することが出来ます。
精神的なストレスによるもの
比較的軽めの熟眠障害の方に多いのが日常生活の中で受けるストレスによる睡眠の質の低下です。
仕事や人間関係などストレス社会と言われるほど今の日本はストレスで溢れかえっています。
運動や趣味などで定期的にストレスを発散できている方は良いのですが、なかなかストレス発散も出来ずに溜め込んでしまうタイプの方は熟眠障害へと発展しやすい状態と言えます。
ストレスを溜め込んでいる状態が続くとストレスから身を守るために緊張状態が続くようになります。
この緊張状態が続くようになると帰宅して寝ようとしても身体は緊張状態が続いてしまい、結局寝ているのに寝た気がしないという熟眠障害につながってしまうのです。
ストレスが原因の場合はストレスも元を断つかストレスに対して強くなるか、サプリなどを使ってストレスの緩和対策をとるなどの方法があります。
1番手軽で労力が少ないのがサプリでストレス緩和対策をすることです。
最近の睡眠サプリにはストレスの緩和作用が強い成分が配合されているので睡眠の質を上げたい熟眠障害の方にはピッタリだと思います。
熟眠障害を改善するための対処法
熟眠障害を引き起こす原因にはストレスから呼吸器の病気まで色々とありましたが、症状を改善するためにはどんな対処法が良いのかまとめました。
朝日を意識した規則正しい生活
睡眠の基本は規則正しい生活リズムを身体に覚え込ませることですので、お金もかけずに今すぐできる対策として生活リズムの改善があります。
熟眠障害を改善するためには夜間のメラトニンの分泌量を一定に満たすことが大切になるので朝起きたら5分ほど朝日をしっかり浴びるようにしましょう。
朝起きて朝日を浴びて夜暗くなったら12時をまわる前に寝る習慣をつけることでメラトニンの分泌リズムが整い自然と睡眠の質が整うことが期待できます。
就寝前の飲酒を避ける
依存的に飲酒を繰り返している場合はスグに病院での対策が必要ですが、たまに寝る前に飲むくらいの習慣であれば、寝る前にはできるだけアルコール類を飲まないようにするだけでも睡眠の質が変わってきます。
アルコールと睡眠の質の関係は先程の項で詳しく書いたので割愛しますが、アルコールを就寝前に飲むことで慢性的に睡眠の質を下げることにも繋がりかねません。
なので今まで寝る前に飲んでいたアルコールを水に変えたり、日記などで禁酒の記録を残したりすることで就寝前の飲酒に対する意識を改善して睡眠の質を上げるようにしましょう。
飲酒を控えるだけで睡眠の質が上がりお酒代も浮くのでお金もかからず、むしろお金の節約になるので対策法としてはおすすめです。
ストレス解消を意識的にする
ストレスは睡眠だけではなく身体にとても悪影響を及ぼすことが多いので、溜めずにしっかり解消する事を心がけましょう。
ストレスの解消法としておすすめなのはスポーツをすること、誰かに話しを聞いてもらうなどが効果的です。
しかし忙しくてスポーツや友人と話す時間がなかなか作れないという方に向いているのがサプリを活用する対処法です。
ストレスに対して軽減効果がある成分としてGABAが知られていますが、最近ではチョコレートやサプリなどGABAが含まれた製品が多く販売されています。
GABAを意識的に摂取することでストレスの緩和効果が期待でき、結果的に睡眠時に緊張状態にならずに睡眠の質を上げる事が期待できます。
サプリの中にはGABAだけでなく睡眠の質を上げるトリプトファンなども配合している睡眠サプリもありますので本格的な睡眠の質向上を目指したい方はそちらの活用が向いているでしょう。
睡眠サプリでメラトニンをサポート
加齢や生活リズムの乱れによるメラトニンの低下で熟眠障害を引き起こしている場合は、メラトニンをサポートするための成分をサプリなどで補う方法も効果的です。
実際に病院などでもメラトニンの低下による不眠症に対してメラトニンの活動を手助けするような睡眠薬を処方するケースも増えてきました。
睡眠サプリではメラトニンの分泌自体を増やすことは難しいのですが、メラトニンの素となるトリプトファンというアミノ酸を補うことで睡眠の質を上げる効果が期待できます。
睡眠サプリも最近ではドリンクタイプのものから錠剤タイプまで色々なタイプが販売されていので、自分のタイプに合ったサプリを選ぶことができるようになっています。
実際に管理人が使用してまとめた睡眠サプリのランキングなどもありますので睡眠サプリに興味がある方は参考にしてください。
熟眠障害まとめ
熟眠障害はしっかり睡眠時間は確保できているにも関わらず寝た気がしなく、倦怠感や注意力散漫など日常生活にも影響を及ぼす怖い睡眠障害です。
中には睡眠時無呼吸症候群などの命に関わる病気が潜んでいることもあるので、「寝たのに寝た気がしない」という悩みが続く場合は対策を講じたり、病院へ相談するようにしましょう。
熟眠障害と間違われやすい逆説性睡眠障害の場合は検査など分別が可能なので自分がどちらか分からずにモヤモヤしているという場合は、病院で検査を受けたり、簡易的になりますがスマートウォッチなどの睡眠計測機能が付いたものを活用して睡眠時のレム睡眠とノンレム睡眠の状態をチェックししてみることをオススメします。
熟眠障害は放置していると本格的な不眠症状を引き起こしたり、仕事などで重大なミスを起こしたりと生活に直結してきます。
- 最近寝てもすっきりしない…
- どれだけ寝ても寝た気がしない…