寝つきが悪いわけではないけど、何回も夜中に目が覚めるという経験をしたことはありませんか?
一度眠ったはずなのに夜中に目が覚めるのは中途覚醒という睡眠障害にあたります。最初に数時間くらいは寝る事ができるので寝つけない時間が長引いてしまう入眠障害よりはまだ耐えられる睡眠障害かもしれません。
しかし目が覚める回数が多くなってきたり、中途覚醒が起きる日が多くなってくると寝ているようで寝た気がしないので起きても疲れが取れずに辛い1日になってしまいます。
今回は中途覚醒の原因とこれ以上悪化させない方法について解説していきたいと思います。
中途覚醒とは?
中途覚醒は不眠症に悩む人の約15%が悩んでいる症状で、なかなか寝付けなくて悩んでいる方と同じくらい多い症状です。
中途覚醒は睡眠障害のひとつですので放置すると睡眠のリズムが崩れて他の睡眠障害の症状を併発してしまったりして、不眠症がだんだんひどくなることに繋がってしまいます。
不眠症といえば「布団に入ってもなかなか寝付けない」という症状が多いのですが、その症状は入眠障害という中途覚醒とはまた別の睡眠障害です。中途覚醒だけが単体で起きている状態だと寝つきは普通に良いので自分が睡眠障害だということに気付かない人がとても多いです。
中途覚醒と判断される基準
一般的に中途覚醒という睡眠障害と判断される基準としては「夜中に1日2回以上目が覚めるのが週に3日以上ある」状態になります。
中途覚醒が頻繁に起こると寝ている最中に目が覚めるので、脳や身体の疲労が完全には回復できなくなります。そして、その影響は朝のだるさや日中の眠気という形で現れて次第に生活に支障をきたし始めます。
中途覚醒が睡眠障害だと認識している人は少ないですが、中途覚醒自体は自覚しやすい症状なので「どうして夜中に何回も目が覚めてしまうんだろう」とだんだん気になってしまいます。
夜中に目が覚めることで悩んでしまい、それが精神的ストレスになって最終的には寝つきが悪くなってしまったり睡眠がさらに浅くなって夜中に起きる回数が増えてしまうことにに繋がりかねません。
中途覚醒を放置する危険性
睡眠中に一度起きてしまうと睡眠のリズムを始めからやり直さなければならなくなります。時間をかけてレム睡眠からノンレム睡眠に移行したと思ったところで目覚めてしまうと1回目で睡眠サイクルが途絶えてしまいます。
あまりそれを問題視せずに放置したままで生活をしていると慢性的に疲労がとれずだるいと感じる日が増えます。寝る意思があるのに睡眠不足に陥ることもあるため仕事のパフォーマンスの低下を招いてしまう事もあります。
仕事のミスが増え効率が悪くなり残業が増え睡眠に確保できる時間が足りなくなって・・・と中途覚醒が原因で悪循環が続くこともよくあります。
睡眠の深さはその日の疲れ具合や身体の調子にも左右されますので気にしすぎるのも良くないですが、中途覚醒が1ヶ月も2ヶ月も続くようなら対処が必要です。
中途覚醒が引き起こす日中の悪影響
中途覚醒をした後の再入眠までに時間がかかると睡眠による脳や身体の休息起草や修復機能が十分に働かないので慢性的な疲労と睡眠不足を招きます。
そうすると日中の集中力や注意力や判断力などが低下し、様々なことがいつも通りにうまくできなくなりストレスが溜まります。最悪の場合は精神的に病んで他の睡眠障害やうつ病を発症してしまうことすらあります。
- 中途覚醒で日中の判断力・集中力が低下してミスが増える
- ミスが増えてストレスになる
- 自立神経が不安定になる
- 睡眠の質が低下する
中途覚醒がきっかけとなって更なるストレスが溜まると自律神経が不安定になり、寝る時間になっても脳がリラックスできない状態になります。
リラックスできないで交感神経が優位なまま眠りにつくと睡眠の質が低下して浅い眠りの時間帯が多くなってしまうという悪循環にはまってしまう人が多いのです。こんなことになる前に早めの対策をオススメします。
中途覚醒の原因
中途覚醒は入眠障害よりもさらに原因が分かりにくいので、「なんで起きちゃうんだろう…。」と疑問に感じることがあるのではないでしょうか。中途覚醒を引き起こす原因は一つとは限らず色々考えられるのでこちらで紹介していきます。
睡眠が浅い
わたしたちは毎日レム睡眠とノンレム睡眠の90分1セットを3~5回繰り返して、朝の目覚めを迎えています。中途覚醒をするのは浅い眠りが続いている時です。
深い眠りだと声をかけられたりつねられても起きないですが、睡眠が浅いとほんの小さな物音や刺激でも目が覚めてしまいます。
眠りが浅くなった時に目を覚ますこと自体は普通のことですが、夜中なのに眠りが浅くなるのが問題です。
- ストレスを溜めたままで寝てしまった
- 寝る前にお酒を飲んだ
- 寝具が合っていない
- 湿度・室温が適切ではない
- 年をとった
こういった原因などから睡眠が浅くなる状況が重なったりすると中途覚醒が起きてしまいます。
日中受けたストレスを上手く自分の中で消化できないまま眠りに就くと、交感神経優位になって体温がうまく下がらなることで睡眠が浅くなり、睡眠のリズムが崩れて何度も夜中に目を覚ますことになってしまいます。
病気が原因で中途覚醒が起きることもある
睡眠が浅いという所までは生活習慣や環境に原因があるためその原因にあった対処をすることで中途覚醒を防ぐことができますが、何らかの病気が原因で中途覚醒を起こすこともあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群はSASと呼ばれることもあるもので睡眠中に気道が閉塞して呼吸停止してしまう病気です。
10秒を超える呼吸停止が1時間の間に5回以上か7時間の中に30回以上起きる場合は睡眠時無呼吸症候群に該当することになります。
睡眠中に何度も呼吸が停止してしまうと脳に酸素が届かなくなるため、睡眠が浅くなるため中途覚醒が起きやすくなります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患はCOPDと呼ばれることもある呼吸器系の病気を総称したものです。喫煙した時などにタバコから発生する有害物質などが肺に入ってくると肺に炎症が起きて呼吸に伴う空気の流れが制限されてしまいます。
その結果として呼吸困難になってしまうのがCOPDです。比較的高齢な方に多い病気ですが、自分や周囲の人が喫煙をしている環境下が長く続いていると高齢でなくてもかかることがあります。
COPDも睡眠中に呼吸に異常が発生するため夜中に目覚めてしまう原因となります。
アトピーなどで肌が痒い
アトピー性皮膚炎などを患っていたりすると、寝ている間に体がかゆくなって知らない間に痒い部分を掻きむしってしまう事があります。皮膚が痒いということは大きなストレスになるので睡眠が浅くる原因にもなります。
また掻きすぎた結果として炎症を起こしたり、血が出てくると痒みが痛みに変わってきて脳が覚醒することもあります。一度痒いと感じて中途覚醒すると痒いことが気になってしまい再入眠が難しくなるの問題です。
むずむず脚症候群
足がだるくなったりむずむずした感覚が異常なまでに強くなってしまって足をバタバタ動かさずにはいられないような状態になってしまう症状をむずむず脚症候群と言います。
発症すると脚の不快感が強すぎて脳が覚醒して中途覚醒します。また目覚めてしまった後も症状が続くのでもう一度寝直すのが難しくなり非常に辛い状況になります。
周期性四肢麻痺
全長なく突然発作的に脚の関節が反り返ったりして脱力するような状態が続く病気です。場合によっては完全に四肢が麻痺することもあるので睡眠中に突然発症すると中途覚醒します。
自覚症状は殆ど無い病気ですが、対処が難しい難病でもあるので医師による診察や入院しての治療が必要です。
うつ病
強すぎるストレスやトラウマなどが原因で不眠症になったり食欲不振や無気力状態になる精神性の病気です。
ほぼ毎日精神が病んだ状態になるためセロトニンの分泌力が低下して睡眠が浅くなり中途覚醒のリスクが高まります。不眠症とうつ病は併発することが非常に多いのも特徴です。
うつ病の対策で抗うつ剤を使うとその副作用が強くてストレスになることもあるので薬を使って全てを完治させるのも難しく、長期化してしまう人が多くなっています。
中途覚醒を改善するための対処法
それではここから実際に自宅で取り組める範囲でも効果が得られる中途覚醒の対処方法をまとめていきます。中途覚醒が長引くことはより辛い睡眠障害を引き起こすきっかけになることもあるので行かに紹介する方法を取り入れながら対策をしていきましょう。
睡眠制限法
ベッドに入る時間を敢えて制限することで「寝室は寝るための場所」という意識付けを強化する方法です。
不眠症を自覚している方はちょっとでも長い時間横になっていた方がいいと考える傾向が強いのですが、眠れていないのに長い間ベッドで横になっていても脳を休めることはできません。
そのため予め決めておいた時間になったら眠れていなくても起きるようにしてベッドに横たわる時間を制限していきます。
最初のうちは辛いかもしれませんが、これによって脳がベッドは寝るための場所と意識できるようになるので自然と深い眠りにつけるようになってきます。
刺激制御療法
睡眠制限法に近いですが、刺激制御療法も脳を寝室は寝るための場所と正しく認識させるための方法です。
- 寝る時間だけに寝室を使う
- 寝室にいったら寝る以外の行動はとらない
- 眠くないなら寝室にはいかない
- 中途覚醒してしまったら一旦別の部屋にいって眠くなったら戻る
- 眠れなくても起床時間は毎日同じにする
- 昼寝は15分〜20分に制限する
根気が必要ですが、効果的な方法です。
熟睡できれば中途覚醒のリスクを減らす事ができるのでまずはグッスリ朝まで眠れる習慣を作っていくことが重要になります。
身体的なストレスを回避・除去する
ストレスは多かれ少なかれ睡眠を浅くするので中途覚醒を改善していくためにはストレスを回避するか除去していくと効果的です。
- アトピーで肌が痒い⇛抗アレルギー薬を使う
- 頻尿で夜中にトイレに行きたくなる⇛泌尿器科に相談する
- 枕があってなくて首が痛い⇛首に優しい枕に買い換える
- 歯が痛い⇛歯医者にいって虫歯治療を行う
- マットレスが硬くて腰がいたい⇛腰痛に良いマットレスを使う
これらはあくまでも一例ですが、体の不調で身体的なストレスを感じている場合は睡眠をどうこするよりも先にそのストレスとなっている症状を治療するのを優先するべきです。
寝る前にアルコールや水分を摂りすぎない
寝酒をすると寝つきはよくなるので不眠症の人が薬ではなくアルコールに頼ることは多いです。ただ、アルコールは睡眠の質を低下させるだけでなく、利尿作用が強いので夜中にトイレに行きたくなって目覚めてしまう原因になります。
お酒ほど利尿作用がなくても水分を多く摂りすぎると夜中にオシッコに行きたくなるので寝る直前にはあまり水分を摂らないようにして寝る前に必ずトイレに行くようにするべきです。
寝る前にスマホを見ない
寝室にスマートフォンを持ち込んでゲームをしたり電子書籍を読んだりネットを見たりしてから寝ようとする人も多いですが、中途覚醒を防ぐには寝る前のスマホはNGです。
スマホから発生するブルーライトが脳を覚醒させるため、睡眠の質を著しく低下させてしまいます。ブルーライトカットモードが搭載されていたり、ブルイーライトカットのメガネを着用しているとしても完全に全てのブルーライトがカットできるわけではありません。
電子書籍などは物語が頭の中に入ってきて脳が活性化するため眠りを浅くする側面もあるのでスマホを寝室に持ち込まないようにすることをおすすめします。
精神的なストレスを回避・除去する
精神的なストレスは睡眠の質を低下させるので中途覚醒の原因となります。なので回避可能なストレスは真っ先に回避していくべきです。
行きたくないけど誘われた飲み会は断るようにするとか、やりたくない押し付けられた仕事は断るとか。可能な範囲でストレスを避けるように心がける工夫をしていくようにするのが大切です。
ただし生活があるので仕事をいきなり辞めるわけにもいかないですし、工夫で逃れる事ができないストレスも普通に生活している中でたくさんあるはずです。そういった場合はストレスを軽減したり緩和していく方向にシフトして考えるようにするのが良いです。
- 趣味など好きなことに時間を使う
- 好きなものを買ってお金を使う
- 食べたいものを食べる
- ハーブティーやアロマなどを活用する
- 睡眠にいい成分を食事から摂り入れる
本来だったら睡眠はストレスを軽減する最善の方法のはずなのに中途覚醒が起きる状況だと睡眠すらストレスになるため、それ以外の方法でストレスを緩和する必要があります。
睡眠サプリを使う
お金をかけてでも早くストレスの影響を取り除いて行きたいという方は睡眠サプリを使ってみるといいでしょう。
月々3〜5,000円程度でもストレスが大幅に軽減されて中途覚醒のない快適な睡眠が手に入るなら今後の生活を豊かにするために試してみる価値はあります。
中途覚醒の対処を目的として睡眠サプリを選ぶなら睡眠の質を高めることができるテアニンサプリがおすすめです。
テアニンを200mg摂取することで30分以降にα波が活発化するためリラックスできるようになり、ストレスによる不安や緊張が取り除かれて質の高い睡眠を維持できるようになります。
寝つきがよくなる上に中途覚醒を減少させる機能があることなども研究結果として明らかになっているため、機能性表示食品として登録されているテアニン配合の睡眠サプリも多数販売されています。
まとめ
中途覚醒の原因から対処方法まで一通りまとめてきましたが、しっかり理解して行動に移すことはできそうでしょうか。
結局難しそうだし…とか面倒だから…といった感じで何も対策をしない人も多いですが、中途覚醒をよしとしていると多くの時間を無駄にして生活の質を下げることになります。
色々と対処法をお伝えしていますが、全部取り組む必要はないのでどれか一つでもできそうなことからチャレンジしていただくのが一番です。私だったらまずは思考停止状態でも手軽に始められる睡眠サプリを飲むという所から対処していきます。
自分にあった対処法を取り入れて深く熟睡できる睡眠を目指していきましょう。