日本人は働きすぎ!なんて言われることが多いですが、ホントにいまの日本だと男性も女性も激務な方が多く「寝る時間がない」という悩みを持っている人もかなり多いです。
納期などスケジュールに負われる仕事があると残業は避けられないですし、上司に言われた仕事が終わらないのに帰るのも厳しいです。そうなるとどうしても睡眠時間を削ってでも仕事を優先する必要が出てきてしまいます。
ただ、実際は睡眠量が不足すると翌日以降の仕事のパフォーマンスにも悪影響が出てくるのでかえって効率は悪くなる一方です。
そういう状況だと短時間の仮眠をうまくとって疲れをとりたい所ですね。まとまった睡眠時間をとるのが物理的に難しいなら仮眠をこまめにとっていくしかありません。
できるなら睡眠時間の確保を優先するべき
本当に仕事が忙しすぎて寝る時間が物理的にとれない状況の人は仕方ないですが、頑張れば睡眠時間を取れるレベルの状況ならできるだけ睡眠時間を確保するべきです。
終電時間を過ぎて帰宅することすら難しい状況でも会社の中や漫画喫茶などで仮眠を取ることはできるはず。寝る時間がないから寝ないで作業を続けるのは脳や身体への負担が大きすぎます。
睡眠の質が高めれば短い睡眠でも十分だろうと考えてる人もいますが、どれだけ睡眠の質に気をつけても睡眠量が絶対的に足りないままだと身体の疲れが完全にとれません。むしろ少しずつ疲れや脳へのダメージが蓄積してきます。
数日くらいなら仮眠でだましだまし作業を続ける事ができても脳が睡眠によって完全リセットできない状態なので集中力が日に日に低下してボーっとしてきます。
ボーっとした状態では仕事のミスも増えますし、ハイパフォーマンスな仕事をこなすことは絶対にできません。
ダメな仮眠は逆に眠気を増やす
ちょっと昼寝…のつもりがついつい寝すぎてしまって、目覚めたら逆に頭が重くなってしまったという経験をしたことはないでしょうか。
実はそれはここでいう「ダメな仮眠」に当たります。
うまく仮眠をとらないと逆効果となってしまうので、まずはダメな仮眠のパターンを知っておきましょう。
中途半端な時間の仮眠は逆効果
ちょっとした仮眠のつもりが1時間以上になってしまうと起きた直後に仮眠をとる前よりもかえって眠気が強くなったり疲労感が高まる場合があります。
この現象のことを業界では「睡眠惰性」と呼びます。
この状態になると仮眠した後の方が作業効率や仕事効率が悪くなるので仮眠しないほうが良かった…という結果になります。
1時間以上の仮眠になると深い睡眠に入ることがあります。深い睡眠にはいると発汗によって体温が低下しはじめるので起きてもすぐに身体を動かしにくいうえに脳も覚醒しにくいのです。
仮眠をとるタイミングが悪い
適度な仮眠をタイミングよくとるのは良いですが、仮眠をとるタイミングが遅くなると睡眠リズムが乱れるため変な時間に眠くなる場合があります。
夕方以降に仮眠をとるとタイミング的には遅すぎるので、できれば昼過ぎくらいの時間までに仮眠をとっておきたいところです。
お昼休憩などを利用するなら15分〜30分くらいを目安に仮眠するのがいいでしょう。
ちなみに欧米諸国の研究では昼間の仮眠は夜の睡眠の3〜4時間に匹敵するくらいの疲労回復効果があると言われています。なので欧米などでは敢えて仮眠も仕事のうちとして就業時間に仮眠タイムを設けたりしているところもあります。
仮眠のつもりなのに寝すぎてしまいそうな人は複数のアラームを設定して決めておいた時間に必ず起きれる状態にするのがいいですね。
短時間の仮眠で疲れを劇的にとる方法
短い時間でも使い方によっては劇的に疲労をとることもできるので、ここから紹介していく仮眠の方法をチェックして日々の時間を有効に使うための参考にしてみてください。
カフェインをとってから30分仮眠する
意外に感じるかもしれませんが、お昼に30分前後の仮眠をとる場合はカフェインをとってから仮眠をとることで仮眠のあとのスッキリ感を高めることができます。
カフェインをとったら仮眠できなくなりそうな印象もありますが、カフェインは摂取してから2〜30分くらいで血中濃度に影響してくるので丁度起きるタイミングになった頃にシャキッと目覚められるようになります。
脳が深い休息モードに入って起きにくくなる前に短い仮眠で疲れを癒やし、サッと起きれば寝る時間がとれない時でも脳のパフォーマンスを高めることができます。
質のいい3時間睡眠をとる
夜に少しでも寝る時間がとれそうな時は質のいい3時間睡眠で集中的に疲労を回復させるのがおすすめです。
実は睡眠中の疲労回復は寝てすぐの3時間に集中的に行われます。
無駄に長く寝ても熟睡できている気がしない時ってありますよね。
逆に仕事や遊びで短い時間しか眠れなかった眠れなかった時でも「思ってたより眠くならずにやり過ごせたな」という日を経験したことはありませんか?
きちんと8時間眠っても最初の3時間の睡眠の質がよくないと身体の疲れが残るし、逆に3時間しか寝ていなくても質のよい睡眠なら疲れが取れるのです。
詳しいメカニズムを説明しますのでそういうのがイヤな方は少し読み飛ばしてください。
睡眠時間ごとの疲労回復度合いについて
一般的に疲労回復の度合いは以下のようなパーセンテージと言われています。
- 3時間睡眠 約70%疲労回復
- 4時間半睡眠 約85%疲労回復
- 6時間睡眠 約99%疲労回復
- 6時間以上 (疲労が取れる人と、逆に疲労が溜まる人がいる)
こちらは栄養バランスのとれた食生活で夜22時までに就寝して睡眠の質がいい場合になります。
さすがに6時間睡眠と3時間睡眠を比べると約30パーセントの疲労回復度の差がありますが、実は3時間睡眠と4時間半睡眠では疲労回復度が15%しか違わないのです。
そのため寝てから3時間のうちに2セット訪れる徐波睡眠が疲労回復には最も大切な働きをするわけなのです。
短時間の仮眠で疲労を回復するには?
3時間ほど仮眠をとって「いつもの時間」に起きる
成長ホルモンは寝る時間よりも起きる時間が規則正しい方が分泌されやすくなります。それは成長ホルモンは体内時計によってコントロールされている物質の一つだからです。
ですので忙しくて寝る時間がないのが続く時には最初に頑張って夜通し仕事をして、3時間ほど寝てから「いつもの時間に起きる」方が体内時計が乱れなくてよいです。
成長ホルモンが分泌されやすい時間帯に仮眠する
しかし成長ホルモンが一番分泌されやすい時間帯は22時から翌2〜3時ですので、この時間帯に3時間寝ても成長ホルモンは分泌されます。
長い目で見ると起床時間が同じではなくなるため翌日以降の体内時計が狂って翌日からの成長ホルモンの分泌がうまくいかなくなることがあります。
ですので忙しくて寝る時間がない状況がずっと続くわけではない場合はこちらでもよいです。
起きる時間を一定に保つことが重要
毎朝同じくらいの時間に起床して日光を浴びると毎晩同じくらいの時間に成長ホルモンが分泌されるようになりますし、さらに分泌される成長ホルモンの量も十分な量に達しやすいです。
なので寝る時間がない時ほど毎朝同じ時間に起きることが大切です。
平日寝る時間がないけど休日は寝れるという場合には、いつもと同じ時間に寝て遅く起きるのではなく「早く寝ていつもの時間に起きる」方が忙しい時も疲れを回復しながら仕事ができますよ。
寝る時間がない時でも効果的な睡眠が摂れて翌日に疲れを残さなければ、寝た気もしますが長いこと寝ないでいると精神疲労が回復しなくなるというデメリットがあります。
短時間でも熟睡できる睡眠サプリを活用する
寝る時間を調整する余裕すらないという場合は日中のストレスを軽減しつつ質の高い睡眠をとるサポートとなる睡眠サプリを飲んでみるのが良いでしょう。
GABAやトリプトファンなどの成分は抗ストレス作用があるので仕事でストレスが溜まっているのに寝る時間すらないような時に高いポテンシャルを発揮してくれます。
また、テアニンやグリシンなどの成分を摂取すれば寝付きがよくなるので、ベッドに入ってから早く睡眠に入ることができるので無駄な時間を省けます。
睡眠薬とは違うので副作用などもありません。
効果が発揮されるまでの時間に個人差があるので、寝る時間がない状況が長引きそうな方は睡眠サプリを継続して飲むようにしていくといいですね。
まとめ
寝る時間がとれない状況だとついついショートスリーパーを目指したくなりますが、体質的にショートスリーパーでも問題がない人は世界でも人口の1%に満たないレベルと言われています。
結局ショートスリーパーかどうかは遺伝子の問題なので、後から自分で変えるのは基本的には難しいのです。
なぜか昔から日本には短い睡眠時間を自慢するような風潮がありますが、それは結局のところ平日の睡眠時間を削っても休日に睡眠を多くして返済しているだけだったりします。
それに睡眠時間を減らしいてもパフォーマンスが落ちるなら意味がないですよね。
今回お伝えした内容であれば3時間でもある程度は疲労を回復させることができるので寝る時間がないときの一時的な対処としては有効です。
ただ、その状況をずっと続けることはおすすめしません。やはり日中のパフォーマンスを高めるためには睡眠時間は6時間から7時間半くらいは必要です。